動画の読み込みが遅かったり、オンライン会議が途中で途切れたりと、インターネットの不調を感じることはありませんか?「プロバイダのせいかな?」「ルーターが古いのかも…」と考える人も多いかもしれませんが、実はもっとシンプルな原因が潜んでいることがあります。
それが、「ルーターの置き場所」です。この記事では、「ルーターの置き場所でなぜネット速度が変わるのか?」を解説しながら、具体的な改善ポイントや配置のコツをご紹介します。
1. なぜルーターの場所が速度に影響するのか?
ルーターが正しく設置されていないと、どんなに高性能な機種でも、本来の通信速度を発揮できません。ここでは、その原因を具体的に見ていきましょう。
①電波は360度に広がる
Wi-Fiルーターから出る電波は、基本的に全方向に放射されます。つまり、部屋の隅や壁際に置かれていると、電波が十分に部屋全体に届かない可能性があります。特に、ルーターが隅にあると電波の半分は壁に吸収されてしまい、通信できる範囲が狭くなります。
②障害物による電波の減衰
Wi-Fiの電波は、コンクリート・金属・ガラス・水分などに弱く、それらを通過する際に大きく減衰します。たとえば、分厚い壁や家具、水槽の近くにルーターがあると、電波が届かなくなったり、不安定になったりするのです。
2. ルーター設置のベストポジションは?
① 家の中央に置く
Wi-Fiは全方向に電波を出すため、家の中心部に設置するのが理想的です。例えば、2階建ての家であれば1階と2階の中間地点(階段の近くなど)に設置すると、上下階に均等に電波が届きやすくなります。
②できるだけ高い位置に設置する
ルーターを床に直置きしている人は要注意です。電波は下方向よりも横・上方向に広がりやすいため、棚の上や壁掛けなど、目線より高い位置に置くことで電波の届く範囲が広がります。
③壁・家具から距離を取る
金属製の家具や分厚い壁に囲まれていると、電波が跳ね返ったり吸収されたりしてしまいます。ルーターの周囲にはできるだけ物を置かず、最低でも30cm以上は空間を確保しましょう。
④電子機器から離す
電子レンジ、テレビ、冷蔵庫などの大型家電は、Wi-Fiと干渉しやすいです。これらの近くにルーターを置くと、通信が不安定になるリスクが高まるため、距離をとりましょう。
3. 避けるべきNGな設置場所
以下のような場所にルーターを置くと、Wi-Fiの性能が著しく低下する可能性があります。
・クローゼットの中、または家具の裏
・部屋の隅や壁の近く
・金属製の棚の中やその近く
・水槽・観葉植物の近く(特に水分に弱い)
・電子レンジ・コードレス電話・ゲーム機のそば
・床やカーペットの上に直置き
4. それでも届かない場合の対策
①Wi-Fi中継機を使う
Wi-Fi中継機(リピーター)は、親機(ルーター)からの電波をキャッチして、別の場所に再送信する機器です。広い家や、壁の多い間取りには効果的です。
②メッシュWi-Fiを導入する
複数のアクセスポイントが連携して、家全体をカバーする仕組みが「メッシュWi-Fi」です。通信の切り替えも自動で、よりスムーズで安定した接続が得られます。特に戸建て住宅や3LDK以上の間取りにはおすすめ。
③5GHz帯の活用
Wi-Fiには「2.4GHz」と「5GHz」の2種類の帯域があります。5GHzは通信速度が速く、干渉にも強いですが、障害物に弱いというデメリットがあります。障害物が少ない場合は、積極的に5GHzを使いましょう。
5. 定期的な再起動とアップデートも重要
設置場所の見直しと並行して、以下のメンテナンスも忘れずに行いましょう。
・ルーターの再起動:定期的に電源を入れ直すことで、内部エラーやメモリ不足が解消されます。
・ファームウェアの更新:セキュリティ対策や不具合の修正が行われていることがあります。メーカーサイトをチェックしましょう。
・ルーターの買い替え:5年以上前の機種は、通信規格が古くパフォーマンスも劣る場合があります。買い替えを検討するのも手です。
6.おわりに:快適なネット生活は「場所選び」から
Wi-Fiの速度や安定性は、通信機器のスペックやインターネット回線の種類だけでなく、「ルーターの置き場所」という基本的なポイントにも大きく左右されます。
逆に言えば、ちょっとした配置の工夫だけで、通信環境が劇的に改善する可能性があるということです。
「ネットが遅い」と感じたら、まずはルーターを見直してみましょう。それが、快適なネット生活への第一歩になるかもしれません。